新日本建設コラム

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2021.06.15

住宅ローンの借り換えはお得なのか?借り換えのメリットや目安、注意点とは

住宅ローンを組んだものの、返済していく中で「借り換えた方がお得なのでは?」と考える方も少なくありません。事実、住宅ローンの借り換えに関しては多くの金融商品があり、各金融機関も力を入れている分野です。

しかし、住宅ローンの借り換えはメリットもある一方でデメリットもあるため、注意点も含めて知っておくことが重要です。

 

今回はそれら住宅ローンの借り換えがお得なのかどうかはもちろん、借り換える利点欠点、目安などについてご紹介します。

特に気をつけておきたい注意点も併せて解説するため、ぜひ最後まで読んでよりお得になる選択肢を選びましょう。

 

住宅ローンの借り換えとは?

そもそも住宅ローンの借り換えとは何かというと、これは文字通り住宅ローンを借り換えることを意味します。本来、住宅ローンというのは金融機関を選び、その金融機関が提供するものを選択して契約します。その際、固定金利なのか変動金利なのかを選ぶほか、返済の返済期間や返済額についてもあらかじめ決めるのが普通です。しかし、当然ながら住宅ローンの支払いなど人生でも初めての経験で、後になってから「やはりほかの住宅ローンの方が良いのではないか」という疑念が生じることも多いです。

 

そうなった際、現在契約している金融商品よりも条件の良い金融商品があれば、借り換えることができます。そのことを俗に住宅ローンの借り換えと呼びます。これらに特別な条件はなく、住宅ローンを組んでいる方であれば原則としては誰でも利用可能です。特に、金利が低くなっているものや繰り上げ返済の条件が良くなっているものなど、タイミングを見計らって借り換えるだけでお得になるケースもあります。

 

しかし、そこで「本当に借り換えした方がいいの?」という疑問も生まれるかもしれません。こればかりは現在契約している住宅ローンがどのようなものなのかで変わるため、一概にすべての人に「借り換えした方が良い」とはいえません。あくまでも現在よりお得になる場合にだけ、住宅ローンの借り換えを検討してみましょう。

 

その一方、近年は住宅ローンの適用金利も数年数十年前に比べて低くなりつつあります。そのため、数年数十年前に住宅ローンを組んだという方は借り換えをした方がお得になる可能性が高いです。特に、各金融機関が金利の引き下げを進めているため、状況によっては数十万円~数百万円ほど返済総額が変わることもあるでしょう。こちらに関しては後の項目「借り換えで得をする目安は?」で詳しく解説します。

 

住宅ローンの借り換えのメリット

住宅ローンに関しては月々の支払いが数年数十年にわたって続くため、疑問を抱かずに過ごしてしまう方が圧倒的に多いです。しかし、実際には心の中で「返済総額を減らしたい」「金利上昇に備えたい」「月々の負担を抑えたい」と考えている人もいます。まずは少しでもそういった住宅ローンに対する懸念がある場合、住宅ローンの借り換えを行った方が良いかもしれません。以下、実際に住宅ローンを借り換えた場合のメリットをまとめます。

 

1.返済期間の短縮

住宅ローンを借り換えることによって、返済期間が短縮できる可能性があります。本来、住宅ローンは返済期間を決めて月々支払っていくものです。しかし、住宅ローンを借り換えることで返済総額が変化し、予定よりも早く完済できる可能性が出てきます。同時に繰り上げ返済なども行うとよりその効果は大きくなるでしょう。

 

2.返済額の軽減

住宅ローンの借り換えのおける最も大きな魅力の1つが、返済額の軽減にあります。単純計算で金利が低い住宅ローンに借り換えると、その差額分の負担を軽減可能です。たとえば、仮に借り換え前の金利が1.5%だったとして、借り換え後に0.725%になったとします。仮に住宅ローン残高が2,000万円だとすると、毎月の返済額は9万6,509円から8万9,546円となります。つまり、単純計算で月々の支払いが約7,000円近く浮くことになるのです。これを年間にすると約8万4,000円の節約になります。これはかなりお得になったといえるのではないでしょうか。

 

3.金利の切り替え

住宅ローンの借り換えは金利を切り替えることも可能です。特に、多くの方は超固定金利に切り替えることが多いです。近年は歴史的に見ても低金利の時代ですが、今後その跳ね返りで高金利となる可能性も0%ではありません。そのため、金利上昇というリスクも存在します。そのため、もし将来に不安や心配がある方は長期固定金利などリスクの少ない金利に切り替えるというのもおすすめです。

 

4.団体信用生命保険の見直し

住宅ローンを組む際、ほぼ必ず必要となるのが団体信用生命保険です。これは、噛み砕いて説明すると、住宅ローンの契約者が死亡または重度の障害を負った場合に残りの住宅ローンを肩代わりしてもらえる保険となります。これらは通常、返済途中で変更することができません。しかし、住宅ローンの借り換えの際は最新の団体信用生命保険に加入し直せる可能性があります。その点も住宅ローンの借り換えの魅力です。

 

5.工事の追加借り入れ

住宅ローンは長期で返済するため、当然ながら居住している家も古くなっていきます。それが数十年単位となるとリフォームやリノベーションをしなくてはならない部分も出てくるでしょう。

しかし、当然ながらそれら工事にも多額のコストがかかります。多くの場合は現金で用意することもできません。その場合、実は住宅ローンの借り換えの際、工事分のローンも一緒に借りられる場合があります。もし今後工事を予定しているなら、借り換えのタイミングでほかのローンも検討すると良いかもしれません。

 

借り換えで得をする目安は?

住宅ローンの借り換えは必ずしもお得になるとは限りません。しかし、ではどのような状況であれば得をするのでしょうか。

 

まず、住宅ローンの借り換えで得をするかどうかを判断する際、最初に見ておきたいのが金利です。特に金利は各金融機関の金融商品によって異なり、それによって返済総額すらも大きく変わる場合があります。そうなると金利の影響をダイレクトに受けた結果、最終的に数十万円~数百万円ほどの差が生まれることもあるのです。

 

つまり、住宅ローンの借り換えで得をしたい場合は、金利が安くなるかどうかを目安に考えてみましょう。たとえば、現在の金利よりも0.2%ほど低い金利の住宅ローンに借り換えた場合、仮に住宅ローン残高が2,000万円だったとしたら返済期間30年で総支払額は約66万円変わってきます。この金利差が0.5%ほどとなれば、さらなる負担軽減につながっていくでしょう。

 

特に、住宅ローン残高が多ければ多いほど、借り換えによる金利の低下が大きな影響を生みます。そのため、お得な住宅ローンを見つけ次第、借り換えてみるというのも良いのではないでしょうか。もちろん、手放しで借り換えするということはおすすめできないため、慎重に比較検討する必要があります。特に、ほとんどの方は住宅ローンなどに精通しておらず、金融機関の担当者に言われるがまま決めてしまうはずです。しかし、それでは損をすることもあるかもしれません。

 

可能であれば、住宅ローンの借り換えに精通している専門家など、知識と技術がある方に相談して決めることをおすすめします。

 

借り換えの注意点

ここまで住宅ローンの借り換えについて知ると「ほとんどは借り換えした方が良いのでは」と考える方も多いかもしれません。しかし、住宅ローンの借り換えは必ずしもうまくいくとは限りません。そのため、ここからは注意点をいくつかまとめます。

 

1.諸費用がかかる

住宅ローンの借り換えには手数料がかかります。いわゆる「諸費用」が数万円~数十万円単位でかかるため、実は数十万円の差しかない場合は借り換えない方が良い場合もあります。

 

状況によっては合計で最低でも数万円、最大で数十万円の諸費用がかかることが多いです。目安としては約30~80万円になることが多いです。これらの手数料だけでも大きな経済的負担となるため、安易に住宅ローンの借り入れを決めてしまうのは避けましょう。

なお、具体的な諸費用については後の「借り換えにかかる費用」の項目で解説します。

 

2.各種手続きが必要となる

住宅ローンの借り換えの際、各種手続きが必要となることも多いです。以下がその代表的な2つの手続きとなります。

 

  1. 審査や契約などに関する手続き
  2. 振り込み口座や引き落とし口座などに関する手続き

 

住宅ローンの借り換えは単に乗り換えるようなイメージを持つ方が多いですが、借り換えは旧住宅ローンを完済してから新住宅ローンを組み直すイメージです。そのため、金融機関ごとに審査や契約に関する手続きを再度行わなくてはなりません。

また、それに合わせて振り込み口座や引き落とし口座に関する手続きも再度行わなくてはなりません。それら各種手続きが意外な負担となります。

 

 

借り換えにかかる諸費用

住宅ローンの借り換えには以下のような諸費用がかかります。これらの手数料は前述の通り約30~80万円かかるため、事前に入念な計算が必要です。特に、これらの諸費用について知らずに住宅ローンの借り換えをしてしまうと、思わぬ経済的負担が増えてしまうこともあります。その点には注意しましょう。

 

分類 項目 手数料の目安
現在の住宅ローンを完済する手続き 全額繰り上げ返済手数料 約数千円~3万円
抵当権抹消費用 約2万円
新規の住宅ローンを契約する手続き 保証料 数十万円
事務手数料 数万円
抵当権設定費用 数万円
印紙税 数万円

 

これらの手数料は金融機関ごとにも異なるため、借り換えによってこれらの諸費用以上に得をしない限りは安易に借り換えるべきではありません。そこは専門家などのアドバイスも受けながら考えてみましょう。

 

まとめ

現在契約している住宅ローンに不満がある場合は、新規契約できる住宅ローンへの借り換えを検討してみても良いかもしれません。住宅ローンの借り換えでは、金利が少しお得になるだけで数十万円~数百万円も得をする場合があります。そのため、住宅ローンの借り換えを考える価値は十分にあります。

 

しかし、状況によっては諸費用や手数料がかかったり、手続きが必要となったりするため、注意点も加味しながら考えていくことが重要です。