新日本建設コラム

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2021.02.16

自然素材住宅はどんな家?自然素材住宅の特徴やメリット・デメリット

時代によって家に使われる素材は進化していますが、近年は自然素材住宅が人気を集めています。自然素材とはシラス壁や珪藻土、セルロースファイバー、無垢材などの素材のことであり、健康面で見ても経済面で見ても安全面で見ても魅力が詰まった家として注目を集めています。

より快適な住宅に住みたいということなら、自然素材住宅で決まりでしょう。

 

今回の記事では、自然素材住宅とはそもそもどういう家なのかについて解説しつつ、その特徴やメリット・デメリットについてもご紹介いたします。

 

自然素材の家ってどんな家?

そもそも自然素材住宅とはどういう家なのかというと、実のところ厳格な定義が定められているというわけではありません。ではこれらの言葉はどこから生まれたのかというと、大手の工務店やハウスメーカーが使うことで広まったものといわれています。

 

自然素材の家には、シラス壁や珪藻土、セルロースファイバー、無垢材などが用いられます。

そのほか、扱っている工務店やハウスメーカーによってはコルク材を使ったり、漆喰や天然リノリウムなどを使ったりすることもあります。

 

単に自然素材住宅は素材にこだわっているだけではなく、実は健康面でも肌に優しいとされるほか、体にも優しいとされています。

特に、アレルギーやアトピー性皮膚炎の人にも優しいとされており、毎日の生活がより快適になるという意見も寄せられているほどです。また、素材によっては化学物質を含む建材を使わないため、シックハウス症候群や化学過敏症候群を防ぐことも期待できます。

 

さらに、自然素材の家は自然素材を用いることで経済面や安全面にも強いという特徴を持ち、大人から子供まで末永く安心して暮らせる家となっています。

 

自然素材のメリットは?(素材ごと)

自然素材を使うメリットはどのようなところにあるのでしょうか。以下、それぞれの素材ごとのメリットをご紹介します。

 

シラス壁のメリット

シラス壁は近年採用されることの多くなった素材であり、火山の噴火により噴出した溶岩が冷え固まったものを削り出し、天日干しをして粒子の大きさを整えた自然素材です。

 

シラス壁の特徴かつ大きなメリットとして、自然素材でありながら非常に高い防水性と透湿性を持つことが挙げられます。

 

シラス壁は下塗り材と上塗り材の2層構造となっています。

下塗り材は非常に細かな粒子で構成されており、水蒸気のような細かい粒子は通し、雨水の大きな粒子は通さない構造です。ですので、シラス壁に染み込んだ雨水は下塗り材にほとんど浸み込むことなく、上塗り材の表面へと流れていきます。

 

また、この2層構造から透湿性も極めて高く、壁の内の湿気を屋外に排出する事ができるため、家を長持ちさせることにも繋がります。

 

珪藻土のメリット

珪藻土はとても優れた湿度調節機能を持つ素材で、温度の上下が激しい日本において重宝されている特徴を持ちます。

 

珪藻土は、湿気を吸収するだけではなく、放出もしてくれるため、室内の温度を一定に保ってくれる素材です。特に湿度が高い夏でも乾燥が気になる冬でも、快適な環境を整えてくれる素材となっています。また、珪藻土は漆喰と同様に火事などにも強いため、安心した住まいを作りたい方におすすめです。

 

それだけでなく、珪藻土には脱臭や消臭にも効果が期待できるほか、雑音や騒音なども受け止めてくれます。そのため、ペットを飼うのにも最適ですし、ウイルスやダニやカビの発生を抑えることもできます。

 

セルロースファイバーのメリット

セルロースファイバーは1950年代にアメリカで開発された素材で、古新聞などを原料としてホウ酸処理した素材を表します。

 

セルロースファイバーは古新聞を活用した素材を壁に吹き込むことで、熱が逃げるのを遮断する素材です。そのため、非常に断熱性や保温性に優れており、いつでも室内を暖かく保てます。断熱材として非常に優秀な素材ということもあり、暖かい地域だけでなく保温が重要な寒い地域などでも重宝される素材です。湿度調節機能も高いため、人間が快適だと感じられる湿度40~60%まで保てるのも強みだといえるでしょう。

 

また、セルロースファイバーは新聞紙の古紙を再利用するため、エコな商品でもあります。限られた資源を再利用する素材なので地球環境にもとても優しい素材なのはもちろん、植物繊維の素材のため人間にも優しい素材となっています。その他、防火性や防音性にも優れているため、理想の住環境が作れる可能性があります。

 

無垢材のメリット

無垢材は原木を使いやすいサイズに加工した天然木材で、床材としてだけではなく家具などにも使われるのが特徴です。時間が経過するごとに飴色になっていく色合いも味があって人気も高いです。

 

無垢材は四季折々の日本に最適な素材で、耐久性や断熱性や保温性に優れています。まさにオールラウンダーな素材といえるでしょう。一年中、快適に暮らせます。しかも乾燥からも守ってくれるため、どんな世代でも快適に生活できます。

 

無垢材は原木を使った木材なので、天然木材特有の香りがあるのはもちろん、さらっとしているのにしっとりとした肌触りが心地良いのも魅力です。ダニやカビも発生しにくく、それでいて空気も清潔に保ってくれるなど、まさに夢のマイホームにぴったりな素材といっても過言ではありません。

 

 

自然素材のデメリットは?(素材ごと)

自然素材にはデメリットもあるので、それぞれ併せて確認することが必要です。以下、素材ごとのデメリットを解説します。ぜひ、参考にしてみてください。

 

シラス壁のデメリット

シラス壁は防水性・透湿性に優れた優秀な素材ですが、他の素材と比較するとコストが上がることがデメリットと感じる方もいらっしゃるでしょう。

また、シラス壁ではひび割れを防ぐような下処理はしているものの、地震などが発生した際にひび割れが発生する可能性が0ではないということが挙げられます。

なお、万が一ひび割れが発生した際には簡単に補修できる工法もありますので、ひび割れが起きたら一生そのままということはありません。

 

セルロースファイバーのデメリット

セルロースファイバーは非常に魅力が多い素材ですが、通常の素材に比べてコストがかさみます。機能性が高い反面、施行の際にはセルロースファイバーの専門業者が必要となることもあります。施行自体にも時間がかかるため、コストはより大きくなるでしょう。

 

建築会社によっては扱っていないこともある素材なので、住宅に採用したい場合はセルロースファイバーを扱っている工務店やハウスメーカーに相談しましょう。その際、詳細な見積もりも必ず出してもらってください。

 

珪藻土のデメリット

珪藻土は自ら凝固できない素材ですので、一般的には珪藻土の上から固化材などを塗らなくてはなりません。

漆喰よりは手間も面倒もかからない素材ですが、それでも固まるまで時間がかかるため、施行自体にも時間がかかります。そのため、費用も高くなってしまう可能性があるのです。

 

また、珪藻土も乾燥するとひび割れしやすくなるため、管理に注意が必要です。

素人では扱えない素材だからこそひび割れに対応できる建築会社が必要となるなど、管理が若干ながら大変かもしれません。

 

なお、当社で扱っている「湯布珪藻土」は固化材を使用しておりせん。

結合材には自然素材のセルロースファイバーと食品のりを使用し、自然素材100%の珪藻土として、壁材に使用しております。

■はつらつの土「湯布珪藻土」

 

無垢材のデメリット

無垢材は天然木材なので、乾燥に弱いという特性を持っています。少しの乾燥であれば問題ないのですが、過度に乾燥すると変形してしまうだけではなく、変色してしまうこともあります。当然、天然木材だからこそ、色や形にばらつきもあるのが特徴です。

 

逆にいえば、それは唯一無二の家を作れるということでもあるため、どう受け取るかによっても感じ方が変わるかもしれません。

 

従来の住宅と自然素材住宅の住み心地面の比較

従来の住宅は化学物質を含んだ建材を多く使うため、どうしても家に関連する体調不良になる可能性があります。代表的なものではシックハウス症候群や化学物質過敏症などがある他、アレルギーやアトピーになってしまう方もいるくらいです。すべての家とはいえませんが、長く住んだ家が原因で体調不良になることも珍しくありません。

 

それに比べて自然素材住宅は自然素材を使っているため、より自然体な暮らしを送れます。化学物質が含まれていないため、従来の人間がしてきた自然に近い暮らしができ、より健やかな生活環境を作っていくことが可能です。温度や湿度のみならず、脱臭や消臭にも効果が期待できるため、より快適な生活を送るなら自然素材住宅がおすすめです。

 

従来の住宅と自然素材住宅のコスト面の比較

従来の住宅は大量生産された建材などを用いて作ることも多いため、抑えようと思えばコストを極限までカットすることも可能です。ただ、従来の住宅は寿命が若干短く、老後を迎える前に寿命が来てしまうこともあります。また、家が原因による体調不良など、思わぬ場面で費用がかかるケースもあるかもしれません。

 

一方で自然素材住宅は頑丈で長持ちするので、子供だけではなく孫のために家を残して幾ことも可能です。多額の住宅ローンを組むにしても最終的には得をする可能性も十分にあり、省エネなどによるランニングコストの削減にも貢献してくれます。しかし、どうしても自然素材住宅は標準仕様にプラスする形で作るため、工務店やハウスメーカーによってはオプション扱いとなります。そのため、割高になりやすい点には注意が必要です。

 

従来の住宅と自然素材住宅のメンテナンス面の比較

従来の住宅は平均寿命が自然素材住宅に比べて長くないため、定期的なリフォームやリノベーションが必要となります。そういう意味ではメンテナンスにかなりの手間と面倒がかかるでしょう。素材によっては環境の変化にもついていけない場合があるため、建てる際には長い目で見なくてはなりません。

 

その反面、自然素材住宅は家自体が長持ちします。素材によっては従来の住宅に比べて数倍数十倍の耐久を見せてくれることもあります。日々のメンテナンスでは自然素材住宅も大変なのですが、きちんと管理さえすればかなり長持ちするでしょう。

 

自然素材をきれいに長持ちさせる方法

自然素材の家は文字通り自然素材を使った家となるので、何もしなくて長持ちするようにできています。しかし、扱い方が雑であればひび割れの原因となるだけではなく、劣化や老朽化の原因になってしまいます。

 

では、どうすれば良いのかというと、こればかりは定期的に点検や修理を取り入れながら、掃除などもこまめに行うことが重要です。普通の住宅と管理方法は同じなのですが、自然素材はどのような素材を使うかによって特徴も異なるため、それぞれの特徴に合わせた管理方法を実践することが最も大切と言えます。

 

どのような住宅かによっても変わるため、そこは施行してくれた工務店やハウスメーカーに日々気をつけておくべきことを聞いておくとなお安心です。

 

まとめ

 自然素材住宅は従来の住宅とは違う最新かつ特殊な素材を使った住宅です。従来の住宅に比べて耐久性が優れている他、断熱性や保温性に優れている素材もあるため、理想のマイホームにはどのような素材が良いのか見当しながら決める必要があります。

 

詳しくは工務店やハウスメーカーと相談しながら計画を立てていくことが重要なので、入念に話し合いや打ち合わせを行いましょう。それがより夢のマイホーム完成へとつながっていくはずです。

 

もしこれから夢のマイホームを建てようと思っているのなら、思い切って自然素材を選んでみてはいかがでしょうか。