新日本建設コラム

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2021.02.16

長期優良住宅は税金の控除や低金利でローンを借りられる!

家を建てようと思っている方の中には、長期優良住宅という言葉を耳にしたことがある方もいるかもしれません。これは長期にわたって安心かつ快適に住み続けられる住宅のことであり、非常にメリットの多い家となります。

 

たとえば、税金の控除が受けられたり、低金利で住宅ローンを借りられたり、これからマイホームを建てようと思っている方にとっては嬉しい情報も多いです。もしこれから家を建てるなら、ぜひ長期優良住宅にしてみてはいかがでしょうか。

 

ただ、どの住宅であっても長期優良住宅に認定されるのかというとその限りではないため、今回の記事ではどういうものが長期優良住宅となるのかを解説します。どういうメリットがあるのかもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

 

長期優良住宅とはどんな家?

長期優良住宅とは長期優良住宅認定制度の基準をクリアしたものが認定される家であり、バリアフリーなのかどうかや省エネルギーなのかどうかという観点から評価した家のことです。事実、長期優良住宅に認定されると金銭的なメリットを多々受けられます。そのため、これから家を建てようと思っている方にとってはとても大きなアドバンテージとなる可能性があります。

長期優良住宅の目的

そもそもの長期優良住宅の目的とはどういうものなのかというと、これについては国土交通省のホームページに明記されています。以下、国土交通省のサイトからの引用です。

 

従来の「つくっては壊す」スクラップ&ビルド型の社会から、「いいものを作って、きちんと手入れをして長く大切に使う」ストック活用型の社会への転換を目的として、長期にわたり住み続けられるための措置が講じられた優良な住宅(=長期優良住宅)を普及させるため、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が平成20年12月5日に成立し、平成21年6月4日に施行されました。(引用元:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000006.html

これらを簡単に説明すると「古い家を作って新しい家に建て替えるのではなく、優れた家を作って手入れしながら長く使っていこう」ということです。それらを前提として始まったのが長期優良住宅認定制度となります。

 

長期優良住宅の概要

長期優良住宅として認定されるかどうかは多種多様な項目が設定されているのですが、基本となる条件が四つほどあります。逆にいえば、それらの条件を満たしているものが、長期優良住宅とよべるといえるでしょう。

 

一つ目が長期に使用するための構造及び機能を備えていること、二つ目が居住環境等への配慮を行っていること、三つ目が一定面積以上の住戸面積を有していること、四つ目が維持保全の期間や方法を定めていることです。

 

これらが長期優良住宅の概要でもあります。ただ、その他にも長期優良住宅の認定基準があるため、そちらに関しては後の「長期優良住宅の認定を受けるための条件」にて詳しく解説します。

 

 

長期優良住宅の多くのメリット

長期優良住宅に認定されるにはハードルもありますが、もし認定されれば得られるメリットは大きいです。特に金銭的なメリットが多いため、以下の項目ごとに得られる恩恵を簡単にご紹介します。

 

住宅ローン控除

長期優良住宅に認定されると一般住宅に比べて、より多くの住宅ローン控除を受けることが可能です。住宅ローン控除とは簡単に言えば、条件さえ満たせば確定申告の際に所得税の控除を受けられることを意味します。

 

その住宅ローン控除には控除対象借り入れ限度額の優遇があり、省エネ基準適合住宅の場合は3,000万円と決められています。しかし、長期優良住宅の場合はそれが4,500万円までとさらに優遇されているのです。長期優良住宅の住宅ローン控除率は0.7%ですが、13年換算で409.5万円となるため大きな控除が狙えます。

 

不動産取得税

長期優良住宅は一般住宅に比べて、不動産取得税も控除が増額されるのが特徴です。不動産取得税とは土地や建物を購入したり建築したりした場合にかかる税金のことです。これらは有償無償に関わらず、不動産を取得した場合に必ずかかる税金のため、家を建てる際には大きな負担となる場合もあります。

 

そんな不動産取得税も、長期優良住宅にすることで減税が狙えます。本来、一般住宅ではその控除額が1,200万円なのですが、長期優良住宅では控除額が1,300万円に設定されているのです。そのため、単純計算で100万円分の減税が受けられます。

 

登録免許税

長期優良住宅は一般住宅よりも登録免許税が優遇されています。本来、家を購入したり建築したりした際には法務局に対して所有権保存登記が必要です。その際に必要となるのが登録免許税です。

 

一般住宅の場合は、その不動産価格に対して0.15%の税金がかかりますが、長期優良住宅の場合は0.1%の税金しかかかりません。金額が大きくなりやすい家の建築においては、0.05%の差でも意外と大きいです。

 

固定資産税

長期優良住宅であれば一般住宅に比べて固定資産税でも優遇を受けられます。固定資産税とは土地や建物など固定された資産にかかる税金なのですが、これらに関しては減額措置を受けられます。

 

一般の戸建てでは3年間、集合住宅では5年間2分の1減額されるのに対して、長期優良住宅の戸建ては5年間、集合住宅では7年間2分の1減額されます。単純計算でも固定資産税が大幅に減額となるのが魅力です。

 

住宅ローンが低金利で借りられる

長期優良住宅は一般住宅に比べて住宅ローンが低金利で借りられます。たとえば、フラット35Sであれば金利が10年間引き下げられます。そのため、金融機関が提供しているフラット35などの住宅ローンを組む場合は、金利に注目してみてください。最大で10年間0.25%金利が引き下げられるため、向こう数十年に及ぶ住宅ローンの負担が軽減されます。

 

条件によって異なるため具体的な金額は提示できないものの、借り入れた際の金利や毎月の返済額、返済総額によって100万円以上軽減できる場合もあります。

 

 

長期優良住宅の認定を受けるための条件

長期優良住宅の認定を受けるためには、それぞれ条件をクリアしなくてはなりません。どれでもむやみやたらに長期優良住宅と認定していては意味がないため、詳しくは長期優良住宅認定制度でその条件が定められています。以下、それらの条件について簡単にまとめます。

 

1.バリアフリー性

長期優良住宅の認定を受けるためには、将来のバリアフリーリフォームに対応できるかどうかが関係してきます。長く住むということが大前提である長期優良住宅は、オーナーの方が年齢を重ねてからも住めなくてはなりません。また、単純に子供や孫やお年寄りが身内にいる場合に安心かつ快適に住めるかどうかも認定の条件となります。

 

2.可変性

長期優良住宅ではライフスタイルの変化に応じて間取りの変更などが可能になっていることも条件に含まれます。生活していく中で子供や孫が増えれば、自分の部屋が必要となるかもしれません。また、年齢を重ねた両親や祖父母と二世帯住宅で暮らすことになる可能性もあります。そういったライフスタイルの変化に対応できる家であることも長期優良住宅の条件となります。

 

3.耐震性

長期優良住宅は耐震等級2以上または免震建築物でなくてはなりません。発生する地震に対して継続して住むための改修が簡単に済むよう、損傷を最小限に抑えられる物件でなくてはならないのです。

 

4.省エネルギー性

長期優良住宅に関しては、次世代省エネルギー基準に適合する機能を確保している必要があります。具体的な基準としては省エネルギー対策等級4以上であることが前提です。簡単に言えば、次世代のエネルギーをうまく活用できる家なのかどうかが認定基準となります。

 

5.居住環境

長期優良住宅においては景観の良さの形成や居住環境の維持・向上に配慮できているかどうかも認定の条件となります。どんなに優れた家であっても、周辺環境の景観を破壊してしまうものは認定されないということです。

 

6.維持保全計画

長期優良住宅は安心かつ快適に住めるよう、定期的な点検や修理が必要となります。それらの補修に関する計画がしっかりとされているかどうかも認定の条件となります。

 

7.維持管理・更新の容易性

長期優良住宅は外装に限らず、内装などを含めて維持管理を容易に行うために必要な措置が取られているかどうかも重要です。長期優良住宅として持つべき機能が損なわれないよう、メンテナンスしているかどうかが評価を分けます。

 

8.劣化対策

長期優良住宅はオーナーの方だけではなく、その子供や孫の世代まで住める家でなくてはなりません。そのため、数世代にわたって家を使えるかどうかも認定基準となります。具体的には床下空間330mm以上を確保する他、劣化対策等級3相当でなくてはなりません。

 

9.住戸面積

長期優良住宅では住戸面積も認定の条件に含まれます。たとえば、一戸建てや一軒家だと75m2以上で少なくとも1つのフロアの床面積が40m2以上でなくてはなりません。

 

 

長期優良住宅の申請手続き

ここまで長期優良住宅の認定条件について解説してきたわけですが、具体的にどのように申請すれば長期優良住宅と認められるのでしょうか。数あるメリットを受けるためには申請しないと意味がないので、ぜひ申請手続きの手順についても知っておきましょう。

 

長期優良住宅の申請においては、二つのケースが考えられます。一つがオーナーの方が評価機関の事前審査を経て所管行政庁へ認定申請をするケース、もう一つが所管行政庁から技術的審査を評価機関に委託するケースです。

 

どの順番で申請するかによって多少前後しますが、評価機関からは適合証交付、所管行政庁からは認定通知交付をそれぞれ受けることで晴れて長期優良住宅として認められます。申請手続きの手順がわからない場合は依頼する工務店やハウスメーカーの専門家に聞いてみるのもおすすめです。

 

まとめ

長期優良住宅は特定の条件を満たすことで認定される住宅のことで、一般住宅に比べて優遇措置が非常に多く用意されています。長く安心して快適に住むことを目的として作られる家なので、オーナーの方にとってはもちろん次世代に残せる家としても優秀です。

 

単に税金の控除はもちろん低金利で住宅ローンを借りられたりするので、活用しない手はありません。将来を見越して家を建てるなら、ぜひ長期優良住宅を選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。