地域と手を取り、次世代へつなぐ地域連携型エコ住宅への挑戦
STORY 02 2012

地域と手を取り、次世代へつなぐ地域連携型エコ住宅への挑戦 地域と手を取り、次世代へつなぐ地域連携型エコ住宅への挑戦

背景

愛媛の気候・風土を生かした LCCM住宅の提案

新日本建設の家づくりを語る上で、欠かすことのできない大きな挑戦があります。
それは平成24年、自社だけで家づくりを完結させるのではなく、愛媛の職人や生産者、そして未来を担う子供たちと共に、地域全体で地球環境を考える究極のエコ住宅に挑んだプロジェクト「えひめの風土と生きる家」です。

私たちはそれまで、自社の森で木を育て、自社で加工する「一貫体制」を磨き上げてきました。しかし、愛媛の気候風土を生かし、真の意味で持続可能な家【LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅※】をつくるためには、地域の産業や人々の力が不可欠だと気づいたのです。
愛媛の豊かな資源を余すことなく活かし、その価値を次世代へ伝えたい。その想いから、これまで交わることの少なかった地域の組合や異業種の職人の方々に直接声をかけ、新たな協力の輪を広げていきました。

※LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅:建設から廃棄まで一生涯のCO2排出をマイナスにする住宅

事業の概要 国が認めた究極のエコ住宅
住宅・建築物省CO2先導事業とは

これまでにない地域全体を巻き込んだエコ住宅づくり。その集大成となる「えひめの風土と生きる家」は、国土交通省の厳しい審査をクリアし、平成24年度「住宅・建築物省CO2先導事業」に採択されました。
ただ家を建てるだけではない、この事業の本当の目的と、私たちが挑戦した理由、そして国から評価されたポイントを紐解きます。

国が推進する、本気の地球温暖化対策

国土交通省が地球温暖化対策を推進するため、住宅の建設する時、住む時、解体する時、という一生涯を通じてCO2排出量をトータルでマイナスにする「LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅」など、全国の模範となる先導的な省CO2技術の導入を評価し、支援する事業です。

私たちは「愛媛の豊かな自然環境を守り、持続可能な社会を次世代の子供たちに残したい」という強い使命感を持っていました。そのためには、企業だけの利益や一過性のエコに留まらず、地域の産業や教育機関を巻き込んだ、よりスケールの大きな「愛媛型LCCM住宅」を実現し、社会全体にエコの意識を根付かせる必要があると考え、この高い壁に挑みました。

建築中の新日本建設の家

国が認めた、3つの確かな根拠

この事業では、単なる設備の性能だけでなく、多角的な視点から厳しく審査されます。新日本建設の提案は、以下の点で「全国のモデルケース」として高く評価されました。

3つの確かな根拠

1

建設から解体までの徹底した「CO2削減」

愛媛県産材の徹底利用や、燃料を使わない「オール天然乾燥」、大島石の廃石材の再利用などを実現。さらに長く住み継げる「長期優良住宅」の認定を取得し、家の一生涯にかかる環境負荷を極限まで抑える仕組みが評価されました。

2

自然の力を活かす「運用時の省エネ性能」

愛媛の気候風土を活かした「パッシブデザイン」や無垢材の調湿作用を採用。大容量太陽光発電などを組み合わせることで、客観的な環境性能評価(CASBEE)においても最高の「Sランク」を獲得する圧倒的な性能を証明しました。

3

地域と次世代への「普及・波及効果」

エコのノウハウを自社で独占せず、地元同業者への技術公開を実施。さらに地元の中学・高校・大学と連携し、学生たちに資源循環を学んでもらう「環境教育活動」を行うなど、社会へエコを広める仕組みが評価の大きな決め手となりました。

取り組み 愛媛の知恵と素材の結集

「環境にやさしい家」を自社だけで作って満足するのではなく、愛媛の地域産業全体を活性化させたい。
そして何より、これからの未来を生きていく子供たちに、資源の循環や環境保護の大切さを「家づくり」を通じて伝えたい。 そんな強い想いから、あえて手間と時間のかかる「地域・教育連携型」のプロジェクトとして2012年、このプロジェクトに取り組みました。

  1. 1

    地域連携

    ※2012年当時の取り組みです。

    • 大島石のねこ土台

      大島石のねこ土台

      今治の石材店と連携し、墓石製作時に出る「大島石」の廃石材を床下の土台として再利用。

    • 砥部焼の薪窯陶器

      砥部焼の薪窯陶器

      砥部焼の窯元と協力し、建築現場で出た廃木材を薪窯の燃料として活用。洗面ボウルやタイルを製作。

    • 久万材のラティス耐震パネル

      久万材のラティス耐震パネル

      久万高原町の間伐材を使い、CO2を排出する接着剤を使わずに作られた独自の耐震パネルを採用。

    • 天然乾燥の県産材

      天然乾燥の県産材

      構造材から棚板1枚に至るまで、機械乾燥に頼らず太陽と風の力で乾燥させた愛媛県産材を徹底使用。

  2. 2

    環境教育

    ※2012年当時の取り組みです。

    1.地元中学校での「特別授業」
    生徒たちに向けて、家づくりがどのように地球環境と関わっているのか、省CO2住宅の仕組みについて分かりやすく伝える講義を実施。
    2.地元高校生を招いた「現場体験学習」
    高校生たちを自社の保有林に招き、実際の伐採現場などを通じて、木が育ち家になるまでの「資源循環」や、「地産地消」がもたらすエコ効果を肌で学んでもらう場を提供。
    3.地元大学への「データ提供・宿泊体験」
    地元大学の研究課題に協力し、実際のLCCM住宅での宿泊体験の場や、省エネに関するデータを提供。学生たちの長期的な視点での環境研究を支援。
  3. 性能への妥協なき追求

    地域の自然素材を活かすだけでなく、住宅としての性能にも一切の妥協を許しませんでした。愛媛の豊かな日射量や風を活かす「パッシブデザイン」を取り入れ、さらに大容量の太陽光発電などを組み合わせるなど、先進的な取り組みで当時の家づくりに向き合いました。

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代表

愛媛の資源を次世代へつなぐため
地域と共に挑んだ究極のエコ住宅

私たちが建設した家が存在する限り、責任を持ち続ける。
その強い信念から、私たちは自社完結の家づくりから一歩踏み出し、
愛媛の地域全体を巻き込んだ究極のエコ住宅(LCCM住宅)に挑みました。

しかし、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。
大島石の廃石材を活かした「ねこ土台」や、砥部焼の窯元と協力した薪窯陶器、
久万高原町の間伐材による耐震パネルなど、
これまで関わりの薄かった異業種の職人や組合の方々に直接協力を仰ぎ、
ゼロから連携の輪を築き上げる必要があったからです。
それでも「愛媛の資源を活かし、その価値を次世代へ伝えたい」という一心で奔走し、
地元学生への環境教育にまで活動を広げました。

自立場の異なる多くの人々と目標を共有し汗を流したこの時の苦労と経験が、
資材調達が厳しい現在においても揺るがない
「地域との強固なネットワーク」という大きな財産となっています。

この経験が確信に。 愛媛と共に歩む、 私たちの「終わらない挑戦」

この「えひめの風土と生きる家」での経験は、私たちに多くの財産を残してくれました。 一つは、「愛媛の地域素材と職人の技術の素晴らしさ」を再確認できたこと。そしてもう一つは、「極めて高い環境性能(エコ)と、自然素材の心地よさは両立できる」という確信です。

現在、私たちがご提案している家づくりには、このプロジェクトで培われた「LCCM住宅のノウハウ」や「地域との強固なネットワーク」が脈々と息づいています。資材の調達が難しい現代においても、良質な木材や設備を安定してご提供できるのは、この時から続く地域やメーカーとの深い絆があるからです。

これからも新日本建設は、この歴史を礎に、愛媛の風土に寄り添い、地域と共に歩む「終わらない挑戦」を続けてまいります。

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