地元工務店が団結した西日本豪雨木造仮設住宅の建設
STORY 03 2019

地元工務店が団結した西日本豪雨木造仮設住宅の建設 地元工務店が団結した西日本豪雨木造仮設住宅の建設

背景

未曾有の災害地域のために、 私たち工務店ができること

平成30年(2018年)7月、愛媛県に甚大な被害をもたらした西日本豪雨。家を失った多くの方々のために、一刻も早い仮設住宅の建設が急務となりました。

新日本建設は、所属する愛媛県中小建築業協会を通じて以前から愛媛県と災害時の協力協定を結んでおり、有事の際の対応についてお声がけをいただいておりました。

被災地の惨状を目の当たりにし、「地元で家づくりを担う工務店として、少しでも地域のお役に立ちたい」という思いから、プロジェクトの事務局として手を挙げさせていただきました。それは、地域の工務店の皆様と手を取り合い、急ピッチで木造仮設住宅を建設するという、私たちにとっても大きな挑戦の始まりでした。

事業の概要 主幹事工務店としての責任。プレハブではなく「木造」への挑戦。

地域に根ざす「愛媛県中小建築業協会」とは

「愛媛県中小建築業協会」とは、愛媛県内で主に住宅建築を行う地域密着型の工務店など、約220社が加盟している団体です。大規模な公共施設などを手がける大手ゼネコン主体の団体とは異なり、日頃から地域の皆様の「家づくり」に一番近い距離で向き合っている中小企業の集まりであることが特徴です。当協会は、愛媛県と災害時の協力協定を結んでおり、有事の際には仮設住宅の建設などに協力する体制を整えています。

地域に根ざす「愛媛県中小建築業協会」

有事に備える「主幹事工務店」としての使命

新日本建設は、この協会の中で「主幹事工務店」という役割を担っています。私たちは特定建設業の許可を有し、県の建設工事入札参加資格においてもA等級の評価をいただくなど、行政からも確かな信頼をお寄せいただいてまいりました。主幹事工務店には、万が一の災害が発生した際、協会に加入している地域工務店に声をかけ、仮設住宅の建設に協力してくれる会社をまとめ上げるという、非常に重い責任と役割があります。

有事に備える「主幹事工務店」としての使命

取り組み 愛媛の工務店の底力。
圧倒的なスピードで、一丸となって成し遂げた164戸。

着工は2018年7月24日。そこから9月3日までのわずか1ヶ月強という極めて短い期間で、西予市や大洲市などに計164戸の木造仮設住宅を完成させました。新日本建設も西予市宇和町や野村町で自ら建設にあたったほか、県内企業の中心となって全体の事務局を担いました。これが実現できたのは、私たちの呼びかけに応え、各現場で力を尽くしてくれた地元工務店や職人の皆様の強固な団結力があったからこそです。

住む人に寄り添った家づくり

私たちが仮設住宅において、あえて手間のかかる「木造」にこだわった理由は、ひとえに被災された方々の心身への配慮でした。プレハブは建設が容易な反面、夏の暑さや冬の寒さが厳しく、隣の生活音も筒抜けになりがちです。家を失い傷ついた方々に、少しでも木のぬくもりで心と体を癒やしてほしい。そんな強い思いから、私たちは住む人に寄り添った木造住宅を選択しました。

地域に根ざす「愛媛県中小建築業協会」

木造仮設住宅

地域に根ざす「愛媛県中小建築業協会」
地域に根ざす「愛媛県中小建築業協会」

隣の生活音が響きにくい木造の強みを活かし、ご家族のプライバシーをしっかり守る落ち着いた空間に。 愛媛の木が持つ温もりと断熱性が、プレハブ特有の「夏の暑さ・冬の寒さ」を和らげ、心身のストレスを軽減します。

地元工務店との団結力

しかし、木造で大量の家を短期間に建てるのは至難の業です。そこで新日本建設は事務局として、県内各地の工務店に協力を呼びかけました。私たちの想いに多くの同業者が賛同してくださり、エリアごとに複数の会社で現場を分担して一斉に着工する強固な協力体制が実現しました。ピーク時には1日最大500人もの職人や関係者が現場に入り、愛媛の工務店が一丸となったまさに総力戦となりました。

地元工務店との団結力

驚異のスピード施工

非常時において何より求められたのは「早さ」です。各現場での緻密な調整と、泥だらけになりながら力を尽くしてくれた職人たちの努力が結実し、建設は驚異的なスピードで進みます。その結果、着工からわずか1ヶ月強(7月24日~9月3日)という極めて短い期間で、西予市や大洲市などに計164戸の木造仮設住宅を完成させることができました。

驚異のスピード施工

圧倒的な規模の大きさ

野村運動公園多目的公園
広大な敷地

隣の生活音が響きにくい木造の強みを活かし、ご家族のプライバシーをしっかり守る落ち着いた空間に。 愛媛の木が持つ温もりと断熱性が、プレハブ特有の「夏の暑さ・冬の寒さ」を和らげ、心身のストレスを軽減します。

代表

「誰かがやらなければ」
困難な決断を支えた使命感

有事の仮設住宅建設において、プレハブか木造か。
決断を迫られた時、私は迷わず「木造でやりましょう」と声を上げました。

前例のない規模とスピードが求められる中、
事務局として全体をまとめるのは決して容易なことではありません。
しかし、愛媛の地で家づくりをしてきた私たちだからこそ、
地域の痛みを分かち合い、地域の力になりたかったのです。
各現場で泥だらけになりながら力を尽くしてくれた
地元の工務店や職人の皆さんには、感謝の言葉しかありません。
彼らの協力なしには、この奇跡的なプロジェクトは成し得ませんでした。

一企業としての損得を超え、愛媛の有事に地元企業が一丸となれたことは、
私たちにとって大きな誇りです。

役目を終えた仮設住宅と 未来へ続く 地域との絆と誇り

西日本豪雨の傷跡を癒やすために建設された164戸の木造仮設住宅は、3年間のリースという役目を無事に全うし、現在では解体されています。かつて被災された方々の暮らしを支えた木の家は、もうその場所に形として残ってはいません。しかし、あの非常時に愛媛の工務店が手を取り合い、一つの目標に向かって突き進んだという「事実」は、決して消えることはありません。

このプロジェクトを通じて私たちが得たものは、困難な状況でもやり遂げられるという自信と、同業者たちとの強固なネットワークです。平時はライバルとして切磋琢磨する地域の工務店が、いざという時には強力なチームとして団結できる。この絆こそが、これからの愛媛の建築業界を支え、地域の安全を守る大きな力となると確信しています。

家を建てることだけが工務店の仕事ではありません。新日本建設はこれからも、地域社会の一部として、愛媛の街と人々の暮らしを根底から支え続ける存在でありたいと願っています。この誇りと経験を胸に、私たちは次なる未来へ向けて歩み続けます。

背景
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